「ネットノベル・パーフェクトガイド」入手。

 地方の個人経営書店に予約した分が入荷し、実際に手にすることができた。
 自作品の紹介はSF/ファンタジージャンルに1/4ページ。紹介された作品は自サイトでは現代物としているが、「ネットノベル・パーフェクトガイド」ではSF/ファンタジージャンルにカテゴライズされており、これは嬉しい誤算。サイトで現代物にしたのは、オンライン小説検索サイトにSFで登録してしまうと読者が限られてしまうのではないかと考えて、現代物でも通る話なので現代物にしたのだが、自分ではSFのつもりで書いていたので。さらに紹介文ではサイト全体の傾向にまでふれてもらい、10年以上前に書いた作品の割には良い待遇だったので満足した。

 さて、本全体の話。
 まずは本の扉。この類の小説の呼び名はいくつかあるが、自分が提唱するオンライン小説という呼び名も挙げられており、この点には満足。

 次に「ネットから生まれたベストセラー」としてオンライン小説サイトだけではなく、掲示板やメールマガジンから生まれた小説も併せて紹介されている。

 「目でわかるネットノベル勢力図」は分かりやすくするためにか、必ずしも実状を反映しているとはいえない部分もある。特に同人に対するイメージは二次創作のイメージが強く、コミティアなどの創作系同人は除かれている感がある。自分のように創作同人とオンライン小説をそれなりに掛け持ちして趣味と割り切って創作しているタイプは珍しいのかもしれないが。

 「ジャンル別ネットノベル紹介」は
・恋愛/学園モノとして53作品(1ページ17作品、1/2ページ10作品、1/4ページ20作品、1/6ページ6作品)
・SF/ファンタジーとして36作品(1ページ6作品、1/2ページ10作品、1/4ページ20作品)
・ミステリーとして31作品(1ページ3作品、1/2ページ10作品、1/4ページ12作品、1/6ページ6作品)
・ホラーとして28作品(1ページ3作品、1/2ページ3作品、1/4ページ14作品、1/6ページ6作品)
・コメディとして23作品(1ページ5作品、1/2ページ4作品、1/4ページ8作品、1/6ページ6作品)
・ドラマ/エッセイとして20作品(1ページ3作品、1/2ページ5作品、1/4ページ6作品、1/6ページ6作品)
・その他として27作品(1ページ2作品、1/2ページ7作品、1/4ページ6作品、1/6ページ12作品)

 ちなみに1ページは紹介文+スクリーンショット+本文引用。1/2ページ及び1/4ページは紹介文+スクリーンショット、1/6ページは紹介文のみの構成。

 で、10ページの「作品紹介アイコン」のアイコンと、名称・意味は取り違えているところがあると思う(笑)。がんばれ、校正担当者。

 それと、投稿サイト「ブランバー」より2003年度代表作として浅井健一氏の「大口」という作品が掲載されている。

 「ネットノベルへの入り口」としてポータルサイトオンライン小説界隈でいう支援サイトが14紹介されている。オンライン小説初心者に向けて、バリエーションをもたせて紹介したという印象を受けた。この中で自分がいちばん使っているのはオンライン小説情報リンク集かなあ。自分としては意外なことに、オンライン小説サイト初期の3大検索サイト(楽園、HONなび、ノベルサーチ)はふれられておらず、カオスパラダイスWanNeニューベルなどのいかにもオンライン小説検索サイトと思っていたサイトも紹介されていない。まあ、これらのサイトはオンライン小説サイトをウロウロしていればいずれ行き着くだろうし。
 ネットマガジンサイトとして12サイト紹介されているが、自分が分かるのは青空文庫くらいだな。
 インタビューとして3人のネット作家のインタビュー記事が掲載されている。
 アンケート結果が発表されているが、自分にとって目新しい情報は特になかった。オンライン小説サイト管理人暦が長いと自然と感じてくることだからかも。
 その他いくつかコラムや記事が掲載されているが、いちばんひっかかりがなくバランスがいいなと思ったのは榎本秋氏の「インターネットとライトノベル」というコラムだった。
 他に気になったところとして、第6章「あなたも今日からネット作家」で、カオスパラダイスについて説明がまったくないのにカオパラらんきんぐだけが取り上げられているのが不親切だと思った。

 ネットで関連情報を検索しているとこの本について「誤字が多い・校正が甘い」という感想を見かけたように思う。自分が知っているサイトでは、なんとタイトルが空白だった。
 この本には愛読者カードがついている。また、オンライン書店では読者の感想を掲載するところもあるのでそういうところで感想を書くという手もあるかなと思いつつ、自分のブログでつらつらと感想を書いてみた。