鉄腕アトム 第36話 「恋するロボット」

 脚本は小林弘利氏。自分が好きな作家で、氏のサイトの日記(掲示板)は毎日チェックしていたりする。
 さて、今週のアトムは、ロマンチックSF作家と呼ばれてコバルト文庫で本を出していた小林氏の良さがよく出た話だったと思う。女のコ*1(声:ゆかな←野上ゆかな嬢。改名していたんだね)が恋に落ちていくきっかけの描写はさすがですな。アトムが恋した女のコと同じ女のコを好きになってしまう「ちょっと気弱だけど、最後には自信を持って一歩踏み出す男の子」(声:山口勝平氏)は、小林氏の得意キャラクターだと思う。どちらかというと小説家としての小林氏のファンである自分にとっては、今回の30分の脚本をふくらませて、ぜひオリジナルの設定で1冊、小説を書いてほしいと思うくらい、ストーリー的に詰まった話だった。いや、本当に小説で読んでみたい。その上、アトムらしいエピソードだったので、なお良かった。脚本家の持ち味とキャラクターが両立する話はそんなにないから。

*1:小林氏作品では「女の子」ではなく「女のコ」