昨日の視力矯正事情

 前の眼鏡はさすがにつけられず、コンタクトにした。いや、ただコンタクトだけではない。レンズを壊した眼鏡のフレームだけを伊達眼鏡としてかけた上でのコンタクトレンズを装着。
 バカなことを、と思われるかもしれないが、人生の2/3以上は眼鏡をかけている自分にとっては、眼鏡こそ自分の本体。眼鏡なしの人生はもはや考えられない。

 処方箋をもらいに眼科に行ったら、いつ眼鏡をかけるのか、と聞いてきたので即座に「いつでも」と答えておいた。そう答える人は稀らしく、眼科医はあっけにとられた顔をしたが、そこはプロ。「常にかけるならどんな場面でもいいようにもう少し調整しよう」と言って午前の診療の最後まで調整してくれた。眼科医としてのプロの意地を垣間見る。

 世間には普段眼鏡をしている人が眼鏡をはずした時の慣用句として「眼鏡を取ったほうがいいよ」などという言葉があるが、自分に関してそれがあてはまらないことを認識しているので、そう言ってくる人には満面の愛想笑いをしておいた。
 それなりに交友のある人は「眼鏡を取ってもいいけど眼鏡をかけているほうが見慣れているね」とオブラートに包んだ至極正常な反応を。
 カラオケに行くと必ず「残酷な天使のテーゼ」を歌わせようとする職場の上司は、さすがに本質を理解してくれていて開口一番「眼鏡をかけた方が絶対いい」と力説したので、感激しながら同意した。

 このような反応でそれぞれの人と自分の心理的距離が測れてしまうという、興味深い事例である。