機動戦士Zガンダム-星を継ぐ者-

 近場の映画館でそろそろ終わりそうだったので、見てきた。
 いやーいいね。自分が見たかったガンダムはこれだよ。テレビシリーズを見ないで、この映画だけ見るのは難しいだろう。話はある意味とびまくりなのだが、テロップもナレーションも一切なく、書き下ろしのシーンも萌えやウケを狙っていない、かなり硬派で職人的な作り。
 テレビ版との大きな違いはカミーユの性格か。テレビ版は「カミーユという女性名を持っている」というコンプレックスがかなり強く描かれていて、だいぶ歪んだ性格になっていたのだが、映画版はその設定をほぼスッパリと捨てている。テレビ版のカミーユはああいう結末になってもさもありなん、という気もするが、映画版のカミーユがあの結末を迎えるとしたら、ちょっとかわいそうな気もする。

 こういう映画をつくることができたのは、ガンダムSEED作品群の商業的な成功があったからだろう。このZガンダムの映画を作るためにSEEDが必要だったとすれば、自分はそこにSEEDの価値を見出す。

 機動戦士ZガンダムII 恋人たちは10月29日公開だとか。完成を楽しみにできる物語があるのは幸せなことだ。

 ちなみに1作目のサブタイトル「星を継ぐ者」にしても2作目のサブタイトル「恋人たち」にしても同タイトルのSFがあるのだが、たぶん偶然ではなく、3作目もそういうサブタイトルがつくのだと思う。「世界の中心で愛を叫んだけもの」とかだったら面白いのだが。

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

 
恋人たち (ハヤカワ文庫 SF 378)

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