イベントでの宣伝ポップ用あおり文を考えてみた。
「残された道は玉の輿か……」
他人の目もないのに、意識的に口の端を歪めて自嘲の表情を作ってみる。
少年の服についた砂を軽く払ってやる。服の素材感に、不機嫌さをあらわにして舌打ちした。
「防護服が薄すぎる。……ったく、こんな服を着せて砂漠に放り出すなんて親は何を考えてるんだ」
「あの子は危険かもしれない。絶対に何かあるぞ。重要な秘匿事項があの子にはあるんだ」
「ぼくの人生を簡単に否定しないでよ」
2004年2月コミティア新刊 近未来SFファンタジー短編小説「砂漠の花嫁」
<解説>
本文引用とあおり文を交互に入れてみた。
映画の予告編のイメージ
「残された道は……」「防護服が……」:彼女=アカリのセリフ
「あの子は……」:砂嫁4000字版には出てこない登場人物ヒロムのセリフ
「ぼくの人生を……」:少年=ワタル(砂嫁4000字版では「マモル」)のセリフ
砂嫁4000字版に比べて圧倒的に深刻そうだ。
ちなみに構成組み換え版のファイルには「砂嫁<ふっきり版>」という名前をつけて組み替え前と区別していたりする。
で、ひととおり通して読みながら加筆してみた。原稿用紙換算で55枚になった。明日は本格的に推敲作業だ。